お知らせ

院内薬局ニュース No.5 ゴーストピル

2015年5月12日

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お知らせ

さわやかな風と、輝くような木々の緑、心地よい季節になりました。今回はお薬に関する全然さわやかじゃない不思議な現象の紹介をさせて頂きます。

「ゴーストピルあるいはゴーストタブレット」、直訳すると「錠剤の幽霊」という言葉があります。ある種のお薬が、ほとんどそのままの大きさ、形で大便の中に出てくることですが、皆様は経験されたことがあるでしょうか?これを見つけた方は、せっかく飲んだお薬がまったく効いてないとびっくりして、医師・薬剤師に相談に来られるようです。

昔のお薬は、粉薬・煮出した液体・丸薬などで、有効成分をそのままの状態で飲んでいました。1日何回も飲む必要があり、わずらわしく、飲み忘れも多かったものです。しかし現在は製剤技術が発達し、ゆっくり溶けて体に吸収されるように加工したお薬が増えてきました。これを徐放剤と言います。

錠剤によって色々あるようですが一例をあげると、目にみえない位小さな穴がたくさん開いた物体(「軽石やスポンジ」を想像して下さい)に有効成分をしみこませ、その周りをまた、小さな隙間のある溶けない膜で包むことで、1日1回の服薬で24時間効果があります。この場合、「軽石やスポンジ」と膜は溶けないので、そのままの形で排泄されることがあるのです。お薬の有効成分はほとんど吸収され、抜け殻だけが便に出てくるのがゴーストピルです。ジェネリック薬品(後発医薬品)、先発医薬品のどちらにも起りうる現象ですが、同一成分の徐放剤でもメーカーにより製剤方法が違う場合は、ゴーストピルは発生しない場合があります。

ゴーストピルが見られる可能性のあるお薬の一覧表(小林薬品「今月のお話」より)があるので、下記に載せておきます。代表的な薬効を追加記載しましたが、様々な使い方があるので異なる病名で服用することがあるため参考にとどめて下さい。皆様が服用されているお薬があるかもしれないですね。なお下痢などの消化管障害で有効成分が十分に吸収されないまま排出される場合もあります。

ご不安な点があれば担当医師・薬剤師までご相談下さい。
 

一般名

主な商品名

主な薬効

バルプロ酸ナトリウム

セレニカR錠、デパケンR錠、バルデケンR錠、バルプロ酸ナトリウムSR錠、エピレナート徐放顆粒、セレニカR顆粒、バルプラム徐放顆粒

抗てんかん薬

塩酸メチルフェニデート

コンサータ錠

精神刺激薬

リン酸ジソピラミド

タイリンダーR錠、リスピンR錠

抗不整脈薬

ニフェジピン

コリネールR錠、ニフェジピンCR錠、ニフェランタンCR錠

降圧薬

テオフィリン

スロービッドカプセル・顆粒、セキロイド錠、テオスローL錠、テオフルマートL錠、テオロング錠・顆粒、テルダンL錠、ユニコン錠、ユニフィルLA錠

気管支拡張薬

気管支喘息治療薬

 

メサラジン

ペンタサ錠

腸疾患治療薬

硫酸鉄

フェロ・グラデュメット

造血薬

塩化カリウム

スローケー、エフズレンK錠、ケーサプライ錠

カリウム製剤

メシル酸ネルフィナビル

ビラセプト錠

抗ウイルス薬

硫酸モルヒネ

ピーガード錠

鎮痛薬

塩酸オキシコドン水和物

オキシコンチン錠

鎮痛薬